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最近Twitterでは日本における博士課程の扱いについての議論が盛んである。おそらく発端は、とあるユーザーに送られたお悩み相談で「自分は博士課程だが、26歳でまだ学生をやっているのかと、同い年で公務員の彼女に言われてしまった。」というものだ。相談を送られたユーザーは「正直26歳でまだ学生だなんて、社会的には最底辺だ。」という血も涙もない回答をしていた。これが事実かはともかく、燃えて当然だろう。言い方がひどい。こちらが発端のツイート(消えてたらすまない。)

もう少しこれに関するTwitterでの議論がどうなったのかを説明し、私の考えていることは後で述べる。このツイートを発端に、博士課程の日本における地位についての議論が活発に広がっている。例えばこんなのがあった。

  1. 博士課程は学生というより無休かつ無給の研究員なんだ!
  2. 博士学生が最底辺なわけないだろ
  3. 日本ではどの大学に「入ったか」の方が見られる。修士とか博士とかはそんなにみんなよく知らない。よくわからない専門のハクシ?ハカセ?だかなんだかより、東大法学部卒コンサルの方がキラキラ。
  4. 修士出て就職した方がコスパがいい。結婚を考えてるならなおさら。
  5. そもそも学生とかいう地位がシャバイ。「特別研究員」(学振とは関係ない)とかいう名称で地位をばらまいて地位を上げてやりゃあいい。
挙げ出したらきりがないが、こんなところか。大雑把にA.「博士課程は価値があるんだ」派、B.「博士課程よりも価値の高いものがある」派、C.「博士課程の価値を上げたいならほげほげ」派、があるように見える。1,2がA派閥、3,4がB派閥、5がC派閥だろうか。あなたはどう思うだろうか?

さて、私の考えを述べる。私の考えは「博士課程という地位には独自の価値がある。さらに、それをリスペクトされたいならそれだけの活動をするべきである。」である。説明する。まず、私は博士課程、または博士号取得者には独自の能力、価値があると思う。(私はまだ博士号どころか修士号も取ってないけどね。) それは「高い専門性、そして理想を求めるが現実を見て成果を上げる能力」であると思う。ちなみに同じことをDr. クラゲさんも言っていた。

細かいことは動画見てください。Dr. クラゲさん面白いよ。この能力は専門によらずに博士号取得者は持っていると期待されるし、博士課程の学生はそれを学んでいる最中であると思われる。だから、博士課程の学生にはこのような「独自の」価値があるのだ。Aの意見を持っていると言えよう。

私には日本語能力が無いので、独自という言葉よりいい言葉が見つからないのだが、ここでいう独自というのは「必ずしもすべての場で役に立つとは限らない」という意味を含む。場合によっては高い専門性も、理想を求める能力も、現実を見て成果を上げる能力も、役に立たない場合がある。例えば、決められたタスクをこなす場合。パンの工場でベルトコンベアで流されるパンのうち、形の悪いものをはじく仕事などだ。これは立派な仕事であるが、博士課程の専門性、理想を求める能力、現実を見て成果を上げる能力はほとんど役に立たないだろう。それよりも、手際の良さ、高い集中力、要領よくこなす能力の方が役に立つだろう。博士課程よりも価値の高いものがある、というBの意見である。

ここまで、私の考えにはA,Bの両方の性質を持っていることを説明した。さて、Cの違憲の方であるが、これが「さらに、それをリスペクトされたいならそれだけの活動をするべきである」という部分である。上でも述べたようにCに関連してこんな意見があった。「『特別研究員』とかいう地位をばらまいて地位を上げてやりゃあいい。」と。少なくともこれには反対である。形だけの地位を与えても、実態が理解されなければその言葉がシャバイと思われて終わるだけだろう。博士課程の学生は、博士課程の学生であることをリスペクトされたいなら、それ相応の活動をするべきである。え?私は難しい大学入試を突破して、今では研究を頑張っているし、論文だって書いた?すばらしい。だがそれは第一ステップに過ぎない。この記事の目標は「世間に博士課程という地位を知らしめ、リスペクトを勝ち取ること」であって、専門の研究を頑張ることではない。専門の研究を頑張っているならばこそ、その研究の価値とは何か、自分の能力はどう言語化されるのか、それらはどういった役に立つのかあるいは立たないのか。こういったことを考え、アウトリーチ活動などを通じてリスペクトを勝ち取らなければならない。そのためには、専門ではない様々な人間の活動をまずはこちらから知り、リスペクトするということも必要である。この上で「特別研究員」なる地位をくれというのであればわかる。ただ、専門の研究を頑張っているんだから、博士課程の学生であることをリスペクトしろ、特別研究員の地位をくれというのは虫が良すぎる。博士課程の学生であることをリスペクトされたいなら、それにふさわしい活動をするべきである。そこまでやって「研究」であろう。専門の研究、という言い方をしていたのはそのためだ。

偉そうなことを言って、お前はできてんのかよって?ーーーーーーーーースンスンダイスキ!!

ともかく、世間でのリスペクトを得たいなら、博士課程の持つ価値について考え、しっかり発信すべきだ。専門外の博士課程、博士とは関係のない人の活動もリスペクトすべきだ。それをやらずに「俺は博士課程だぞ!!ソコノケソコノケ!!」なんてやっても疎まれるだけだ。